いま、BRICsと称される鉄鉱新興国の著しい隆盛は、私ども鉄鋼業界に身を置く者にとっての脅威です。もはや、コスト競争だけでこれに対抗することは難しいというのが実情です。
まさに、日本の鉄鋼業は過渡期にあるといえるでしょう。ならば、私たちは、鉄鋼先進国のひとつとして地球環境との共生をはかりながら、将来に向けた地歩の確立を模索する時期にあるのではないか…。現代は、人にも企業にも地球という惑星に生きる一構成員としての“インテリジェンス”が求められている時代であると直感します。
一方で、ファインスチールなど世界トップクラスの競争力を持つ高機能・高付加価値鉄板は日本の得意とする分野です。最近では、ナノ・レベルでの成分配合による新素材開発への取り組みなど、「ファインスチールは未知の可能性を秘めた素材」という思いを新たにしているのは嬉しいことです。
46億年という途方もない時間を費やして地球が育んだ「鉄」という資源。それを忘れず、リスクを怖れることなく、新たな技術に挑戦し続けること。それが、人々の暮らしを潤し、ひいてはお客様の満足、循環型社会の実現を目指す確かな一歩になることを信じて疑いません。
これからも、“いま”に停滞することなく、人として、企業として、常に自らの行動に問いかけ、見つめ直しつつ、一層の研鑽を積んでまいる所存でございます。
皆さまのご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
2002年にはISO14001認証取得。環境負荷の低減はもとより、循環型社会の実現に向けた企業の社会的責任を果たすべく全社一丸となって取り組んでいます。